志村つくねの父さん母さんリヴァイアサン

文筆家・志村つくねの公式ブログ。本・音楽・映画を中心に。なるべくソリッドに。

ずれ

先日公開した問答無用工務店の社歌、見事なまでに反応がなかった。

世間というものの残酷さを噛みしめる日々であります。

唯一コメントしてきたのが父、というところが妙に生々しくて、無情。

作詞家デビューまでいったい何光年かかるのか。

 

四半世紀ぶりに靴ずれができたのです。

痛いのを通り越して、なかなかどうして、ちょっと誇らしい。

新品のスニーカー、足にフィットしていないわけではないのだ。

むしろ、つま先をスッポリ包む優しさ? っていうの?

それが頼もしくもあったりする。

 

たまたま履いていた、丈の短いソックスがよくなかっただけのことなのだ。

左のかかとに「鉄棒でこしらえたマメ」みたいな勲章が輝いている。 

そーっとバンドエイドを貼ってみる。

久しく経験したことのない”キッズの感覚”に打ち震える。

まぁ、そこまで大袈裟に書くことでもないんだけど。

生きている証を欲しているのでしょうか、私は。

 

春先に買ったナイキのエアジョーダンの1のミッドのナントカ。

これが絶妙のカラーリングで、ビビビッときたのである。

黒と金が下品にならない程度にバランスよく配置されており、

これを履いて闊歩している間は無敵になれる。

トゲだって踏めるし、火柱の上だって歩ける。

ABCマートのセールで1万円切っていたことも、おれを無敵にさせた(庶民派をアピール)。

 

中学生から高校生にかけて、ナイキ一択の青春を過ごしてきたのだが、デザインが近未来的になってきたある時期から、熱が醒めていったのです。

やっぱり、あのヒュンってマークがちゃんと主張していないとダメなのだ。

ヒュンってマーク。

あの、バナナみたいなやつ。

小さすぎてもいけないし、大きすぎてもいけない。

ましてや、”なかったことにされる”のが一番イヤだった。 

そんな卑怯な大人にはなりたくなかった(尾崎豊的なまなざしで)。

 

近年、ナイキはいい仕事をしていると思う。

そのデザイン性と機能性にキャッキャしていたあの頃が甦るような復刻計画。

街中でイカしたエアマックスを履いているおにいさんを見かけると、肩をポンポンと叩きたくなります。

嘘です。そこまでの社交性は、僕にはありません。

 

今日も元気にお出かけです。

久々の靴ずれをいたわりながら、ヘラヘラと。

散々ナイキを持ち上げておいてナンですが、

雨上がりで道がぬかるんでいるので、”雨用のプーマ”を履いていきます 。

よい一日を。

ローリング

ザ・7月である。

本日も快調にじめじめしております。

思考力を根こそぎ奪うこの時期が、あまり得意ではない。

今年は無駄にさわやか路線を開拓したいと思う。

「歩く清涼剤」と呼ばれることを目指す所存。

 

6月はあれこれウンウン唸っていることが多かった。

まぁ、生活の8割方はウンウン言ってますね、私。

迷いのある状態はよくないのだが、そんな迷いのなかで気付くことも多々ある。

何事も、逃げてはいかん。

抱えた頭で頭突きして開く扉も、この世には存在するのだ。

 

湿気で頭がおかしくなりそうななか、私の心を救ってくれるのは、読書だ。

せっせと読んでは思考し、思考しては窓の外を見やる。

いつだって、青春真っ只中である。

 

最近読んだなかでは、

①H・P・ラヴクラフト、大西尹明訳『ラヴクラフト全集 1』(創元推理文庫

枡野浩一『愛のことはもう仕方ない』(サイゾー

村上春樹村上春樹 雑文集』(新潮文庫

が面白かったなぁ。

 

①は『屈折くん』の著者、人間椅子の和嶋慎治さんお薦めの一冊。「ラヴクラフト」とか「クトゥルフ神話」については耳学問で知った気になっていたけれど、やっぱり、なんというか、実際に読んでみなければわからないことだらけですね。程よい長さの短篇・中編から立ち込める、禍々しい空気が病み付きになります。特に、米国ニューイングランド地方の漁港の陰気さ、生臭さにかんする描写がたまらん。読後感に”名状しがたい”ものがあります。この調子で全集を全部読んでいくつもり。のめり込む人が後を絶たない理由がちょっとわかった。

②は歌人枡野浩一さんが2015年9月から2016年3月にかけてWEB連載されていた私小説を一冊にまとめた作品。どんよりすると同時に、クスクス笑った。そして、枡野さんが2年間の芸人生活を経て、今どんなことを考えているのか興味が湧いた。悲惨な話が続くけれど、不思議と元気になれるのは、文章力とサービス精神が一級品だからだろう。連載時のタイトルは「神様がくれたインポ」。一体どういう話なんだ、と眉をひそめる人もいるかと思うが、そういう話です。もう仕方ないですよ。こんなに嘘をつかない人、あまり見たことがない。

③は村上春樹の雑文集。読んでみたら、本当に雑文を集めた本だった。でも、そこがよかった。私は、どちらかと言えば、村上春樹の熱狂的なファンのことをしらけた目で見る人間なのですが、彼の作品のなかに素晴らしいものがあることを否定はしない。正直に告白すれば、『海辺のカフカ』とか『ねじまき鳥クロニクル』など、未読のものだって多いのだ。威張ることではないけれど……。ここ数年でわかったことだが、村上春樹はエッセイやコラムが味わい深くて素敵ですねぇ。頭ごなしに彼の作品を非難する派も、神様のように崇め奉る派も、いやなんです。私は、適切な距離感で彼の語り口を楽しみたい者である。

 

全然関係ないけど、昨日テレビ見ていて思った。

私は江頭2:50 という人が好きだな、と。

あのプロ意識。

ピーピーピーっと、下半期もがんばろう。

どうかしていた頃

紙資料を処分していたら、レポート用紙に書かれた変な歌詞が出てきた。

その昔、僕はこんなことを考えていたらしい。

ただただ、ゾッとする。

せっかくなので、公開する。

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 社歌(仮) 作詞:志村 作曲:問答無用工務店

筋少「じいさんはいい塩梅」風

 

三鷹の森の木の下で

モグラの生き血をすすって生きる

ベンゼン第一 安全第二 三時のおやつは三省堂

 

モテたい 売れたい 狂わせたい

嗚呼 われらの 問答無用工務店

(問答無用~問答無用工務店

 

承ります 勝つまでは

ドバイに自社ビル 建つまでは

第三セクター 第三世界 この世はわれらに大賛成

 

お父さん お母さん リヴァイアサン

嗚呼 われらの 問答無用工務店

(問答無用~問答無用工務店

 

社員旅行は 終止符(ピリオド)の向こう側

行きついたのは 幕張の向こう側

But you can never leave...

 (ホテル・カリフォルニア風のギターソロ)

 

頼まれなくても 作ります

やっぱムリです ごめんなさい

電通貫通 ジブリをズブリ 完全週休七日制

 

Give it to me Give it to me 平野レミ

嗚呼 われらの 問答無用工務店

(問答無用~問答無用工務店

嗚呼 われらの 問答無用工務店

(問答無用~問答無用工務店

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ご覧のとおり、ひどい有り様ですな。

2008年頃の作品でしょうか。いや、もっと前かもしれない。

中学生がこんなこと書くならまだしも、当時の僕は20代後半ですからね。

病んでいたのかしら。

 

大学のサークルでいくつかのコピーバンドを経験したものの、僕はオリジナルバンドというものをやったことがなかったのです。

ある日、表現意欲に火がついて、「問答無用工務店」というラウドロックバンドを立ち上げたのでした。

立ち上げただけで終わりましたが。

 

その頃、マーズ・ヴォルタというバンドがイケイケっぷりを発揮していて、なんかそういう即興的要素のある音楽をやりたかったのでした。

音楽性としては、”かわいいメガデス”を標榜。

これまた、どうかしている。

 

結局、形にはならなかったのだけれど、2回ぐらいスタジオに入ったと記憶しています。

あの時、己の欲望に巻き込んでしまった友人たちに対して、大変申し訳なく思う。

何事も中途半端な僕ですが、書くことだけはやめないで生きているよ。

ちなみに、本ブログのタイトルは、この歌詞からの引用。

人に歴史あり、ですな。

季節はずれの餅つき

地味ではあるが、調子は上向きです。

ちょこちょこライヴを観に行き、イベントに顔を出しているうちに、気持ちが軽くなりました。

単純なものです。

 

先日、電車の座席で本(ラヴクラフト全集)を読んでいたら、隣に3歳ぐらいの元気な男の子が座ってきました。

お母さんはアジア系(たぶんベトナムかどこか)の方で、その子の行儀をじっと監視。

時折、母国語で「そんなことしちゃダメでしょ!」という風に注意を与えます。

そんななか、どうしたことか、坊やが僕のお腹を横から突いてきたのです。

巨大な鏡餅の弾力を確かめるような手つきで、二度三度、つんつく、つんつく。

そんなに珍しいのか、成人男子の腹が。

 

あまりの唐突な出来事に、恥ずかしいやら微笑ましいやら。

それに気づいたお母さんがひたすら低姿勢な日本語で「すみませんでした!」と謝ってこられたので、こちらのほうが申し訳なくなってしまった。

ご当地キャラにでも間違えられたのでしょうか。

僕は着ぐるみではありません。

 

そんなこんながありまして、最近は、ウォーキングに加え、ストレッチポールを使った運動に励んでおります。

まぁ、運動といっても、丸太みたいな棒に仰向けに寝そべってエヘラエヘラするだけなんですけれども。

これが効果てきめんで、背中のコリがほぐれ、骨盤の歪みが改善され……たような気になっています。

実に深く眠ることができて、満足です。

きっと、体の内も外もナイスコンディションなう、なんである。 

べつにこの運動器具の回し者ではないんだが、一日中パソコンに向かっている人には激しくオススメしますよ。

すごいんだから。

 

このポール、一つだけ難点があって、運動を終える際には尻からずり落ちねばならないのです。

ずずず、ずずずっと下半身を支えにして、後頭部を守るという寸法。

これがけっこう不恰好で、やるたびに頬を赤らめてしまいます。

この瞬間をあの坊やに見られたら、即つんつくされるでしょうなぁ。

 

体重は減らない。

夢は増える一方だ。

今週ものびのびといきましょう。

LPN ストレッチポール(R)EX ネイビー 0001
 

 

 

過程はサイレント

なかなかブログが書けません。

「とくにご披露すべきネタもないしな……」などと逡巡しているうちに、頭がダークオーラに支配され、ウウウッとうずくまるのです。

日常生活はそれなりにうまいことやっておりますが、ちょっとした瞬間に、どす黒い気流みたいなのが襲ってくることもある。

その隙をついて、”安全圏”からあーだこーだとしょうもないことを言ってくる人がいる。

僕はけっこう図太いところがあるので、たいていのことはやり過ごせますが、こういうことが頻発すると、ちょっとね……。

この下品さを無視することにも、少なからぬエネルギーと気合いが必要なのです。

「全部栄養にして食ってやる!」とも思うけれど、心と体は正直なものです。

まぁ、若い証拠なのだろうか。

 

というわけで、このところ弱っていたことを白状します。

でもね。

僕の敬愛するギタリストK-A-Zさんがツイッターに引用された、ニッキー・シックスの言葉。

これが今の僕にとってあまりにも決定的なメッセージで、もりもり元気が出ましたよ。

モトリー・クルーのラスト・ライヴ〈THE END〉でニッキーが放ったMCだそうです。

(「だそうです」と言うのにはワケがあって、僕、実はまだこの映像を見ていないのです。なんという体たらく。)

 

手に入れたいものがあるなら諦めるなってことだ

夢をけなすヤツもいる

アイディアや学歴にケチをつけるヤツ

太りすぎだ痩せすぎだとほざくヤツ

そんなヤツらの言葉に惑わされるな

叶えたいことがあるなら何度でも繰り返すんだ

 

マイ・ヒーローの言葉の重みよ。 

あきらめませんよ、僕は。

 

フリーランスの物書きとして独立してからの数年間、実に貴重な経験をしています。

良いことも、悪いことも。

己のことすら整理できていないのが現状ですが、僕は常に弱い者の味方でありたい。

そして、いつ何時も、おもしろカッコよくありたい。

どこの馬の骨ともわからぬ僕を、はじめから一人前に扱ってくれた優しい人たちのようになりたい。

いつの日か、自分の体験を、より若い世代に語り伝えられるといいな、と。

 

つくづく、言葉って大事ですね。

光にもなるし、闇にもなる。 

そのうち、すべての出来事を笑って振り返ることのできる日が来ると信じています。

今は目の前のこと一つひとつにベストを尽くすのみであります。

 

お腹が減りました。

へこたれません。

もち

また変な夢を見た。

つきたてアッツアツの餅をバスケのゴールに向かって延々と放る、というやつ。

次から次へと、グニュグニュの物体をフリースローするんです。

手がベタベタするわ、やけどするわで、だんだん泣きたくなってくる。

ネットに餅がだらしなく引っかかったところで目が覚めた。

何かを予言しているのかな? 今週も楽しそうですね。

 

さて、ジュンク堂書店・池袋本店にて開催の和嶋慎治さんと堀田芳香さんとのトークセッション、大変面白かったです。

2月に別の場所で行ったトークイベントとは趣の異なるお話が飛び出しましたね。

司会進行の務めを忘れて聞き入ってしまうほど、笑ったり感心したりしました。

ファンの皆さん、読者の皆さんの反応を直接感じる場は貴重です。

ご来場いただいた皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。 

 

急に暑くなったので、バテ気味です。

本格的な夏に入ったら、どうなってしまうんだろう。

まずは紫外線との戦いを制して、 人前に出るにふさわしい美肌を育てていきたいと思います。

書くのも快楽、しゃべるのも快楽。

今後もご期待ください。

引き締め効果

おお、快晴である。

しかも、こどもの日。

それだけで強くなれる気がするよ。

希望がふわふわと舞っているようであるよ。

 

朝ごはんを食べたばかりだというのに、もう昼ごはんを何にしようかと考えている。

まるで食いしん坊のようである。

まぁ、否定はしませんが。

ボロネーゼ的なものを口にしたいが、そういえば昨日の昼はボロネーゼなのだった。

どうなっとるんだ。

ついにボケてきたか。

 

食いしん坊といえば、90年代の一時期、見るも無残にブクブクと肥えていたダフ・マッケイガンの自伝を読み終えた。

なんとも素晴らしい内容。

泣かせにかかっているわけでもないし、話を過剰に盛っているわけでもない。

にもかかわらず、熱いものがこみ上げてくるドラマティックな物語です。

僕はこの人のことが、より一層好きになってしまった。

”乗り越える”って、すんごいことですよ。

 

ガンズ・アンド・ローゼズという巨大バンドのベーシストとして、というよりは、一人の人間として、しっかりと己の闇と向き合っている姿勢がじつに真摯。

特に、ドラッグとアルコールに関する描写は凄まじく、「よくこんな状況から抜け出すことができたものだな……」と腕を組んで考え込んでしまうほど。

ただひと言、生きてくれていてよかった。 

 

ぶ厚い本で、情報量も多く、そんなにスイスイと読み進められる類の自伝ではない。

だが、時間をかけた分だけ「あの時、ダフはこんなことを考えていたのか」とか、「まさか、水面下でそんな交流があったとは!」といった発見が身に染みてくること請け合い。

無責任に万人に対してオススメすることはできないけれども、武道との出会い、試練を経たのちの大学での学びなど、そこかしこに生きるヒントが散りばめられております。

とりわけ、プロローグや謝辞に彼の精悍な人柄が表れていると思った。

 

ちなみに、僕は、奥様や娘さんたちを軸とした家族との何気ないエピソードにいちいち涙したのであった。

そして、不意打ちで登場するアクセルやイジーがとてもいい味を出しています。

読み終えたファンの方々と読後感を共有したいですなぁ。

1月の来日公演時の異様なカッコよさを裏付ける、生きざまと言霊。

自己の弱さと向き合う強さが結晶と化した良書です。