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志村つくねの父さん母さんリヴァイアサン

文筆家・志村つくねの公式ブログ。本・音楽・映画を中心に。なるべくソリッドに。

寒い夜だから

昨夜は豆を投げつけることを忘れなかった。

日付が変わる直前ではあったが、この辺、抜かりないのである。

METALLICAの「Creeping Death」ばりにDie! Die! 言いながら日頃の不満を

わが家の床にぶつけました。

節分ってそういう行事ではないですよねぇ。反省する。

 

それにしたって、どうだい。

近年の東京の恵方巻騒動は。

僕が上京したのは2000年の春なんだが、その頃には恵方巻のエの字もなかったぞ。

ここ数年のキャンペーンのおかげで、街のあちこちで寿司を奪い合う姿を

見かけるようになった。

某チェーン店の前など、まるでバーゲン会場のようであったよ。

まさにSNS時代ですねぇ。S(寿司が)N(ないと)S(死んじゃう!)、みたいな。

……まぁ、かくいう僕も丸かぶりしたんで、人のことをとやかく言えない。

海鮮恵方巻(邪道)、おいしゅうございました。

 

夕方、とてもいい感じで雪が降っていたのだけれど、明日の朝はどうなるんだろう。

道が凍ったり、交通機関に遅れが生じるのは勘弁したいが、

僕はしんしんと降り積もる雪を眺めるのが好きなのだ。

とくに夜の静謐なひとときがたまりませんな。

読書に最適な時空であることはまちがいないんだが、こんなときに限って、

しょうもない用事がそこそこ溜まっているのだから、かなしくなる。

 

ところで、最近読み始めた倉橋由美子『聖少女』(新潮文庫)がすばらしい。

冒頭の数行で僕の心を鷲掴みにしてしまった。

これはきっと罪作りな作品ですよ。

この感覚を久しく味わっていなかったため、うれしかったなぁ。

 

ずっと気になってはいるが、なんやかんやで後回しにしてしまう作家はいませんか。

僕にとっては、倉橋由美子がまさにそうなんです。

今まで読んでこなかったのを恥じると同時に、今このタイミングで出会えたことの

よろこびを噛みしめている。

ほんと、人生捨てたもんじゃないです。

腐らずに前を向いていれば、道が開ける(こともある)。

しばらくは倉橋由美子の主要作品を追いかけたいと思う。

「なぜ、このタイミングで?」というのは愚問です。

だって、出会っちゃったんだもん。仕方がない。

 

音楽や映画などの分野にも通じることなんだが、

昨今の日本のカルチャー・シーンは新参者に対して厳しいですね。

「新規」とか「古参」とか。

そんなんどうでもいいと思うんですが、だめですかね。

誰にだって、「新規」の瞬間があるよ。

臆することなく飛び込まないと、面白い景色は見えてこない。

「古参」を気取った知ったかぶりっ子よりも、新しい扉を開けたほんの少しの

勇気の持ち主を僕は応援したいですね。

初々しさって、大事なのだ。

 

というわけで、僕は恵方巻新規のおばちゃんたちに寛容でありたいと思います。

鬼は外!福は内!(一日遅い。)

ライド・ザ・ライトニング

ライド・ザ・ライトニング

 

 

 

聖少女 (新潮文庫)

聖少女 (新潮文庫)