ザ・7月である。
本日も快調にじめじめしております。
思考力を根こそぎ奪うこの時期が、あまり得意ではない。
今年は無駄にさわやか路線を開拓したいと思う。
「歩く清涼剤」と呼ばれることを目指す所存。
6月はあれこれウンウン唸っていることが多かった。
まぁ、生活の8割方はウンウン言ってますね、私。
迷いのある状態はよくないのだが、そんな迷いのなかで気付くことも多々ある。
何事も、逃げてはいかん。
抱えた頭で頭突きして開く扉も、この世には存在するのだ。
湿気で頭がおかしくなりそうななか、私の心を救ってくれるのは、読書だ。
せっせと読んでは思考し、思考しては窓の外を見やる。
いつだって、青春真っ只中である。
最近読んだなかでは、
①H・P・ラヴクラフト、大西尹明訳『ラヴクラフト全集 1』(創元推理文庫)
が面白かったなぁ。
①は『屈折くん』の著者、人間椅子の和嶋慎治さんお薦めの一冊。「ラヴクラフト」とか「クトゥルフ神話」については耳学問で知った気になっていたけれど、やっぱり、なんというか、実際に読んでみなければわからないことだらけですね。程よい長さの短篇・中編から立ち込める、禍々しい空気が病み付きになります。特に、米国ニューイングランド地方の漁港の陰気さ、生臭さにかんする描写がたまらん。読後感に”名状しがたい”ものがあります。この調子で全集を全部読んでいくつもり。のめり込む人が後を絶たない理由がちょっとわかった。
②は歌人の枡野浩一さんが2015年9月から2016年3月にかけてWEB連載されていた私小説を一冊にまとめた作品。どんよりすると同時に、クスクス笑った。そして、枡野さんが2年間の芸人生活を経て、今どんなことを考えているのか興味が湧いた。悲惨な話が続くけれど、不思議と元気になれるのは、文章力とサービス精神が一級品だからだろう。連載時のタイトルは「神様がくれたインポ」。一体どういう話なんだ、と眉をひそめる人もいるかと思うが、そういう話です。もう仕方ないですよ。こんなに嘘をつかない人、あまり見たことがない。
③は村上春樹の雑文集。読んでみたら、本当に雑文を集めた本だった。でも、そこがよかった。私は、どちらかと言えば、村上春樹の熱狂的なファンのことをしらけた目で見る人間なのですが、彼の作品のなかに素晴らしいものがあることを否定はしない。正直に告白すれば、『海辺のカフカ』とか『ねじまき鳥クロニクル』など、未読のものだって多いのだ。威張ることではないけれど……。ここ数年でわかったことだが、村上春樹はエッセイやコラムが味わい深くて素敵ですねぇ。頭ごなしに彼の作品を非難する派も、神様のように崇め奉る派も、いやなんです。私は、適切な距離感で彼の語り口を楽しみたい者である。
全然関係ないけど、昨日テレビ見ていて思った。
私は江頭2:50 という人が好きだな、と。
あのプロ意識。
ピーピーピーっと、下半期もがんばろう。