志村つくねの父さん母さんリヴァイアサン

文筆家・志村つくねの公式ブログ。本・音楽・映画を中心に。なるべくソリッドに。

いいものはいい

10月である。

こんなに長くブログを放置したのは、いつぶりだろうか。

今日も元気に生きていますよ。

相変わらず、本を読んだりライヴを観たりものを書いたりという生活を送っている。

けっこうな秋です。

 

今月もいいものにたくさんめぐり会っているのだが、 渋谷公会堂で観た

NIGHT RANGERがすごかったすごかった。 

その実力を噂では聞いていたのだが、実際に目にするのはこれが初めて。

今まで積極的に観ようとしなかった自分を「バカバカ!」と叱ってやりたい。

会社帰りのスーツ姿が圧倒的多数だったが、そんなの関係なかったね。

オーディエンスのアメリカンな雰囲気。

あわよくば代々木公園(デング熱!)でBBQを始めそうな気合いである。

 

アメリカン・ハード・ロックって、ともすれば、ダサいものととらえられがちだが、

なんと浅はかな考えだろう。 

やっぱり、時代を彩った名曲の数々が今日まで生き延びている事実は称賛に

値しますよ。

「普通に生活していてどこかで聴いたことがある曲」が2, 3曲ある時点で、すごい。

その辺の機微は映画『ロック・オブ・エイジズ』をご覧になればわかると思う。

要チェックです。

 

幕が下りてバンドメンバーがズラッと並んだだけで迫力あったもんなぁ。

「○○レンジャー」という名前を付けるだけのことはある。

ブラッド・ギルスはなるほど素晴らしいギター・ヒーローだったし、

ジャック・ブレイズはベースを操りながら歌い跳ねる(超元気!)し、

"KK2"と呼ばれていた新加入のギターも巧みでございました。

グラサンにひげというこわもてヴィジュアルの人がいちばんおとなしくて遠慮がち

だったのが、よかったな。彼の担当楽器がキーボードというのも変化球でグッド。

 

何よりもいちばん度胆を抜かれたのはドラムのケリー・ケイギー。

最初の数曲でコーラス能力の高さを見せてくれたかと思えば、

おもむろにドラムセットから歩み出て、マイク握りしめちゃったよ!

「俺がメインボーカルをとったら、止まんないぜ?」と言ったかどうかは知らないが、「SENTIMENTAL STREET」などのしんみりする名曲を情感たっぷりに

披露してくれた彼がMVP。

あんなに歌のうまいドラマーは観たことがない。

笑っちゃうぐらいの歌唱力は必見です。

 

全員が高い楽器スキルを誇るのはうれしいが、それに加えてどのメンバーもボーカルが素敵すぎるというのが、もうね。

コーラスワークが冴えわたり、これを聴いているだけで、チケット代の元はとったなと確信した。

ウルトラ・ハイ・クオリティで楽しいライヴを観たければ、おすすめです。

この際、1曲も知らなくても大丈夫だと思う。すごいものは、肌で伝わる。

 

NIGHT RANGER以外の曲もかなりの尺を使って披露してくれた。

彼らのライヴって、いつもこんな感じなの!?

だとしたら、出血大サービスにも程があると思ったね。

OZZY OSBOURNEの「CRAZY TRAIN」、DAMN YANKEESの「HIGH ENOUGH」。

「DON'T TELL ME YOU LOVE ME」の途中でメドレー的に挿入されるDEEP PURPLEの「HIGHWAY STAR」など。

素晴らしくベタ!だが、そこがいい!

 

ああ、今思い出しただけでもニヤけてしまう。 

「SISTER CHRISTIAN」なんかはイントロが流れた時点で目がウルウル。

「どうした、おれ?」と自問自答したね。

そんな渋公の夜でした。

 

この日はキーボードのエリック(こわもて、でもおとなしい)が誕生日。

プライズのケーキをメジャーリーグ流に顔面にぶつけられての終演となりました。

クリームまみれのこわもてが笑顔で三本締めに参加。

これがアメリカか……と驚嘆しながら、次回の来日に期待してしまうのだった。

 

しかし、三本締め、えらく板についていたなぁ。

昔からやってるんですかね?

誰だ、教えたやつは。

 

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