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志村つくねの父さん母さんリヴァイアサン

文筆家・志村つくねの公式ブログ。本・音楽・映画を中心に。なるべくソリッドに。

王の道

11月である。

少し空気が冷たくなってきて、いよいよ集中力が増します。

意外と冬が嫌いじゃないのは、外気に触れれば気が引き締まるから。

あと、布団の何ともいえない「ぬくぬく」が好きだから。

食べ物がおいしいのも、いい。

 

先月はわりとバタバタしていた。

バタバタしている間に時は無情に流れるのだから、始末が悪い。

生きているうちにできることなんて限られてるなぁと、妙に真剣な面持ちになったり。

そんなわけで、今月の前半はかなりの時間をインプットに費やしていた。

主に読書。

のちのち役に立つかどうかわからない類の、読書。

傍から見るとボーッとしているように見えるが、そうでないことを強調しておく。

 

たまに頁をめくる手を止めて、手帳を覗きこむ。 

今年は自分史上もっとも多くのライヴを観た年になる見込み。

まだ集計していないが、もしかすると100本付近?

どえらいことである。

来年のことをいうと鬼が笑うらしいが、このペースを維持できたら幸せだな。

諸々の事情を考えれば、これが限界かもしれないが、

そこは元気に限界破裂したいところ。

 

明日明後日はKNOT FESTなのである。

予言します。

日曜の23時頃にきっと「疲れたー!でも、楽しかったー!」という感じの

感想をもらしていることを。

あと、SLIPKNOTっていうバンドはたぶん全員マスクをかぶって出てくると思うぞ。

無事故・無違反・無病息災で楽しみたいものですな。 

 

この秋は実にいろいろな場所に出かけたのだが、その中でも印象深かった出来事。

友人のコピーバンド(DEEP PURPLE)が王様と共演したのだ。

すごいでしょう?

彼らは別にトリビュート・バンド等の活動をしているわけではなく、

言ってしまえばアマチュアですからねぇ。いったいなぜ???

イベント開催の報せを聞いたときは畏敬の念を抱くとともになぜか爆笑してしまったのだが、非常に楽しい時間を過ごしました。

いま思い出しても、楽しい。

 

で、「王様って、どなた?」なんて言っちゃう愚かな民どもに申し上げておきますと、 90年代の日本のハードロック/へヴィメタル界、いや、音楽シーン全体に

「いい風」を送りこんだ方なのです。

誰でも聴いたことのある名曲(洋楽ロック)の数々を直訳して演奏することで有名。

↓詳しくはこちら。

 

王様のROCK'N'ROLL TOWN

http://www.osama.co.jp/

 

たぶん『HEY!HEY!HEY!』の全盛期だったと思う。

どこからどう見てもおかしな人が出てきて、目が釘付けになったのを覚えている。

でも、当時の僕はイヤなガキだったから、「こんなのホンモノじゃない!」とか

なんとか言って軽視していた。

まだLED ZEPPELINすらちゃんと聴いていなかったのにね。

 

その後、高校・大学と進むにつれ、自分の音楽との付き合い方もなかなかの

変化に満ちてくるわけです。

そこで改めて王様の音楽と向き合ったとき、わたしゃひれ伏したね。

「なんて心得た人なんだ!」と。

 ハードロック/へヴィメタルの古典に馴染めば馴染むほど、王様の魅せ方は芸が細かいということがわかった。

自分の好きなものを徹底的にコピーしているうちに、ある種のオリジナリティが

生まれることも彼の姿勢から学ばせて頂いた。

 

あれから十数年……。

狭い狭いライヴハウス(失礼!)で観た王様の演奏は、異様なサービス精神に

溢れた圧巻のエンターテインメントだった。

要するに、すべり知らず。

そのスタイルから、漫談、イロモノなどと悪口を言う人もいるかもしれない。

でも、そんな人たちは物事の核心が見えていないのだと思う。

彼ほど敬意と愛情に満ちたパフォーマーはいないんだぞって言ってやりたい。

各種大型フェスに毎回呼んでもらいたいと心から願った。

 

自分の出番(トリ)が終わったあとに、出演4バンドと1曲ずつセッションする

コーナーを設けた王様。

アマチュアだろうがセミプロだろうが、「ロックしてる若者」を

温かく後押しする彼の姿に目頭が熱くなったのは内緒である。

いいもん観ましたよ、本当に。

 

王様を笑う者は王様に泣く。

「え!?こんな場所にまで?」というような会場をも精力的に回っていらっしゃる。

あなたのご近所に来られたら、ぜひとも謁見を。

火の粉がパチパチ!