志村つくねの父さん母さんリヴァイアサン

文筆家・志村つくねの公式ブログ。本・音楽・映画を中心に。なるべくソリッドに。

水際

ここ数日の湿気で、頭がやられている。

常に汗をかいていて、ぬるぬる星人である。

今なら、モンゴル相撲でよい結果を残せそうだ。

 

昨夜は就寝前、体が異様にカユかった。

普段あんまりそんなことはないんだけど、あちこちがうっすら

カユくてなかなか寝付けない状況。

夏ですよね……(今さら)。

 

昔々、まだ小学校の低学年の頃、皮膚がかさかさになったり、

得体のしれない虫に刺されたときは、祖母がロバック・クリームを差し出したものだ。

これをぬりぬりすると、たちまち傷が癒え、笑顔を取り戻したと記憶している。

今でも売られているんだろうか、あの薬。 

 

各ご家庭に「あれさえ使えばなんとかなる」といった魔法の薬があると思う。

ウチの場合、腹痛にはラッパのマークの正露丸

風邪にはベンザエース。

頭痛にはバファリン

ちょっとしたあせもには桃の葉ローション。

などなどの守護神が鎮座していた。

 

ウコンの力や大正漢方胃腸薬がこの顔ぶれに加わるのは、おっさんに

なってからのお話。

いまだにどんな効き目があるのかよくわかってないが、

タイガーバームなんてのもあった気がする。

タイガーがバームするんですぜ。

名前と見た目だけで、とんでもなく効きそうな薬ではある。 

 

こんなに薬の名前を書き連ねて、私はどこへ行こうとしているのか。

常備薬の尊さを訴えて、何をしようというのか。

いよいよ、頭が回りません。

首も回りません。

蒸し暑い夏が終わります。

言うねー

昨夜、suedeの単独公演に行って、感無量になっているおじさんが通りますよ。

90年代に中高生だった皆さんはよくわかると思うけど、わが学級もOASIS派とblur派に二分されていまして。

音楽の趣味なんてそんなにはっきりと区別されるわけでもないのになー。

けんかをやめてー。

などと思いながら、僕はせっせとU2KULA SHAKERを聴いておりました。

(この頃は自分がメタラーだという自覚はなかった。)

 

『MAX』等のコンピレーション・アルバムに入っていたのか、CMで流れてきて知ったのか、判然としないが、ある日耳に飛び込んできたsuedeの「Trash」には何事かを感じ入ったのだ。

くねくねしているのに、美しい。

きらきらしているのに、儚い。

部活帰りに飲む微炭酸ドリンクのような青春の味わいが、この曲にあったのでした。 

たぶん、そんな内容の曲ではないと思うけれど。

 

で、長い長い間、彼らのことを一発屋だと勘違いしていたのだが(本当に失礼だと思う)、ひと癖もふた癖もある麗しのメロディは、まさに僕好みだった。

ここ数ヶ月、最新アルバム『Night Thoughts』とベスト盤をうっすらかけながら、いい気分に浸っていたことを告白します。

いろんな音楽を聴いたあげくの、邂逅というやつです。

なんだか感情がえぐり出された夜だったなぁ。

とてもいいものを観た。

 

そして、いいものはいいという究極の結論に辿り着いたんである。

人の意見など気にせず、やっぱり、自分の目や耳で確かめなくちゃね。

RADIOHEADPRIMAL SCREAMもまだ観たことないんだけど、

きっと抜群の説得力があるんだろうなぁ。

OASISに至っては、そのうち観られると思っていたら、いつの間にか

あんなことになってしまった。

 

UKを抱きしめて生きるぞ。

そんなよくわからぬ宣言をして、残りの夏を満喫したいと思います。

アナーキー

リバティ

セミが鳴く。

台風がくる。

この時期になると思い出すのは、自由研究。

自由を装った不自由を子供なりに感じていた課題です。

結局は、親同士の競い合いみたいになっていて、ひたすら醜かったと記憶している。

明らかに子供の発想でない作品が、市に表彰されたりして。

あんなミッション、好きだった人はいるんだろうか。

日本の教育の問題点だと思っています。

や、本気ですよ?

 

毎年、”やらされてる感” を強めていくなかで、なんとか面白く取り組めるように

知恵を絞ってくれたのが祖母である。

バカバカしい宿題に労力をかけずに、最大限バカバカしくあれ。

そんなメッセージが込められていたのかどうかはともかく、祖母のヒントにより、

2, 3の名作が誕生したのは事実。

 

祖母の家の庭先で増殖したボウフラの行方をひたすら見つめた「カのかんさつ」。

祖母の家に転がっていた急須の取っ手やガチャガチャのカプセルなどを市販のモーターにつなげた「なぞのロボ」。

……等々、リサイクルという概念がまだ浸透していなかった時代に、わりと先進的なことをやっていたんじゃなかろうか。

先生からの評価は冷たいものでしたが、何人かの友達の支持は獲得したような。

そもそも、”自由研究” にどうやって成績をつけるんだろう?

探究心や好奇心って、強制されるものではないし、誰かが測定できるものではないよねぇ。

 

夏休みの宿題を午前中の涼しいうちにやったり、ましてや、7月に終わらせるなんてこととは無縁の少年時代でした。

蚊に刺されながら惰眠をむさぼり、空想の限りを尽くす。

のびのびと過ごせるうちは、おおらかに生きていていいんじゃないのかねぇ。

かき

言葉尻をとらえることの流行る世の中って、いったい。

謎のワードを連発するぐらいなら、尻でもかいておけ。

そんなことを想いながら、ぐうぐう眠りました。

夏だね。

 

蒸し暑い大阪に比べると、東京はだいぶ涼しい。

すでに、夏の終わりの奥多摩感が漂っている。

まぁ、住んでいるところはもうちょっと都心なんだけど、そんな感じ。

夕暮れ時に窓を開けて本を読むのが至福でございます。

 

今年もかき氷を食べずに秋に突入しそう。

うっかりすると食べ逃す、真夏の幻。

あの頭がキーンとなる瞬間が、とてもイヤなんだ。

でも、体がシロップと氷の融合を求めているんだ。

なんなの、あの快楽。 

 

大昔はブルーハワイなどの原色ドッキリ系のフレーバーが好きでしたが、

近年は宇治金時などの和物が好みになった。

要するに、白玉で世界は回っているんじゃないかと。

し・ら・た・ま。

いつまでも口の上で転がしていたくなるキュートさ。

私はかの白球のぷりぷり具合を愛する者である。 

 

近頃では、ジャリジャリした氷よりも、ふわふわの羽毛のごとき氷が

好まれるようだ。

だが、確実な食べごたえという観点から、僕はジャリジャリのほうが

頼りがいがあるんじゃないかと思い至った。

いや、まあ、氷に頼りがいも何もないんですが。

儚いからこそ、確かに存在していてほしいという願望っすね。

自分でも何を言っているのかよくわかりませんが。

 

中学校の帰り道、「買い食い禁止」のルールを破り、

巨峰とミルクのダブルシロップがけで「巨乳!」と絶叫していた友は元気か。

夏の色合いは強烈だけど、だんだん記憶が薄れていくのも確か。

十年後も二十年後も覚えていられるような、いい味の光景を集めてゆきたいです。 

ベークド

2泊3日の帰省という名の旅を終え、いよいよ日に焼けてきた。

もともと色白で、小麦色とは無縁の生活を送っていますが、

ここ数年、急に日光を吸収する体質になったような。

とはいえ、いい塩梅にこんがりと焼けることはできなくて、

いつも妙にまだら色なんである。

 

去年、横浜スタジアム高校野球の地方予選を観た際には、悲惨な目に遭った。

露出する部分にまんべんなく日焼け止めを塗り、万全の態勢で臨んだのだが、

両の膝小僧がりんごみたいに真っ赤になった。

あれはヒリヒリ痛かった。精神的にも痛かった。

今でも不健康な茶色が膝の上で主張している。

 

そして、今年。

茨城県は国営ひたちなか海浜公園で行われるROCK IN JAPAN FES.

初めて赴いたのであった。

噂には聞いていたが、東京からバスで約3時間という、なかなかの距離。

”海浜” というからには照りつける太陽も相当のものなんだろうと

予想しましたが、果たしてビンゴ。

ほとんど遮るもののない状態で、流浪の民のごとく、出演バンドの熱演を

楽しみました。

 

昨年の両膝の教訓があるものだから、出発前、念入りに脚まわりに

日焼け止めを塗ったくったわたくし。

人間椅子、BABYMETAL、ドレスコーズ赤い公園Dragon AshUVERworldなどの

熱演を眺めながら屋台の食べ歩きをするのは格別でした。

 

帰りのバスで熟睡し、家に帰ってシャワーを浴びたときの達成感は何物にも代えがたい。

じっと膝小僧を見つめる。

焼けてない。真っ赤じゃない。

バランスよく焼けるって、素晴らしい。

そんなことを考えながらニマニマ笑っていたら、ハッと気づくのであります。

両ふくらはぎのみが、やたらとこんがりしていることに。

なんなんだろう。この詰めの甘さは。

 

僕は一日だけの参加だったのだが、全4日間観に行った人の体力とハートには感服します。

いろんな場所に行ってみるもんだな。

体を張ってみて初めて気づくことって、たくさんある。

変にまだらに焼けた肌を見つめながら、今年の夏も終わるなぁと感慨深くなっているお盆です。

ニュー

みんながシン・ゴジラシン・ゴジラ言うので、とても観に行きたくなった。

いまだ実行に踏み切っていませんが、ほとぼりが冷めた頃に

僕も映画館に出かけるんじゃないかと予感している。

信頼できる方々が声を揃えて絶賛しているもんだから、気になってしまうんですよねぇ。

お安いねぇ、おれも。

 

このザワザワする感じ、古くはタイタニックマトリックスの公開時と似ているなぁ。

最近だと、パシフィック・リムとかゼロ・グラビティにあたるかな。

祭りの様相を呈しておりますね。

周りで観に行った人が全員出川ぐらいのテンションで「ヤベーよ!ヤベーよ!」と

褒めちぎるという……。

そういう人たちをやや冷めた目で迎えながらも、「スクリーンにかかっているうちにこの目で確かめないとアカンやつ!」などと興奮している自分がいる。 

わたくしとは、かようにめんどくさい生き物である。

 

ゴジラに関しては、『映画秘宝』などの雑誌で主な情報をチェックしているが、

実際に作品群を観たことがないので、めったなことは言えない。

小学生の時に『ゴジラvsビオランテ』が公開されて、それを観た同級生が

神妙な面持ちで帰還したことは覚えている。

あれはなんだったのだろう?ひょっとして、トラウマ映画?

メカゴジラとかモスラの造形はなんとなく思い出せるけど、

ビオランテの姿形って瞬時に描けないもんなぁ。

 

とにかく、時代はシン・ゴジラだそうです。

鑑賞後に何事かを語りたくなるって、素晴らしいことなんじゃないかな。

シンは新?それとも真?神の可能性だって、否定できない。

このタイトルを目にした時、すぐに新野新を思い出した僕は、

まだまだ関西魂が抜けきっていないなと思いました。

 

東京生活17年目の夏、体力つけてGO GO GODZILLA

アイス・マイ・ライフ

夏真っ盛りでござんす。

先日、生まれて初めて白くまアイスを頬張ったんですが、あれ、ウマいな。

カップではなく、棒つきファミリーパックだったんだけど、

時折顔をのぞかせるパインの存在がニクいと思った。

大阪はなんばにございます北極のアイスキャンデーを思わせる食感。

要所要所で主張してくるあずきもなかなかである。

誰が発明したのか知らないが、あれだけ広い地域で定着するのも納得ですよ。

噂によると、ファミマブランドの白くまがコストパフォーマンスよし、だそうです。

 

アイスといえば、さっき、近所を散歩がてらサーティワンに突撃したんである。

どうだ。うらやましいだろう。

こういう出来事が突発的にあるから、人生捨てたもんじゃないと思えてくる。

ハプニング・アイスはマイ・ライフを輝かせるのだ。

 

現在、二段重ねの ”雪だるま”キャンペーン中だそうで、キングサイズにキッズサイズのアイスがもれなく乗っかってくるという趣向。

実物が出てきて、その大きさに少しビビったものの、蝶のように舞い、飲むように食べることができました。

胃袋、ばんざい。

 

僕は土台をラブポーションサーティワン(名前が気に入った。中身のチョコ美味し)、

頭の部分をラムレーズン(たまらんに決まっている)で楽しんでみました。

まぁ、予想どおり、ウマウマですわな。

周囲の大人の視線を気にしながら、商店街をのっしのっし歩く快感。

夏の夜は、こういうのがいいね。 

 

大昔、凍らせたチューペットで激しくお腹を壊して以来、”チューペット禁止”に

なったことなどを思い出しております。

あれは一種の麻薬なんだよ。

夏休みのお子様も、冷たいものの食べ過ぎにはご注意だぞ。